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めまいの診察について
問診
めまいの診断において、最も重要なのは問診です。
「何もしていない時にめまいがした」とおっしゃるだけでは、診断に十分な手掛かりが得られません。
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生じた状況:いつ、どこで、何をしている/見ている時に、どんな姿勢で、めまいがしたのか
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頻度と内容:初めてか、以前にも同じようなめまいがあったか、以前のめまいとは違うのか
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随伴症状:頭痛、目・耳・顔・口・ノド・首・肩・手・腰・足の症状の有無
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心身の状況:持病、常用薬、体調不良、無理な生活、寝不足、過労、心労等の有無
こうした情報をお聞かせいただけると、それだけでめまいの半分ぐらいは診断の目途と改善計画が立てることができます。
検査
必要に応じ質問紙に記入していただき、精密検査を行います。
具体的な検査は以下のとおりです。
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赤外線CCDカメラ:暗視野で眼振等を観察しやすくする装置
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VNG/VOG(ビデオ眼振/眼球運動検査):眼振や眼球運動を定量的に評価する検査。指標追跡検査、視運動性眼振検査や温度眼振検査等も含まれます。
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vHIT(ビデオヘッドインパルス検査):個々の半規管の機能を評価する検査
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VEMP(前庭誘発筋電位):耳石器(球形嚢斑、卵形嚢斑)の機能を評価する検査
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重心動揺計検査:身体のふらつきの程度を評価する検査
処方・投薬・リハビリの方針
当院では、治療は薬よりも運動やリハビリテーション、生活習慣の改善に重点を置いています。
また処方薬としては「漢方薬」を活用しています。
漢方薬の選択理由
東洋医学では身体を小宇宙とみなし、様々な症状は小宇宙の乱れ、身体バランスの異常から生じると考えます。
漢方薬はそのバランスの異常を正す薬なので、身体バラン異常の一症状であるめまいの治療薬として最適なのです。
例えば、めまい、頭痛、吐き気といった症状があった場合、西洋薬でこれらに対処しようとすると抗めまい薬、鎮痛薬、制吐薬の3剤が必要です。
いっぽう東洋医学では、3症状の原因を「水毒(水の偏り、むくみ)」として捉え、これを正す「利水薬」と呼ばれる漢方薬を処方することで、1剤だけですべての症状に対処可能です。
内耳性めまいの代表疾患であるメニエール病は、内耳のむくみ(内リンパ水腫)が原因であることが西洋医学的にも明らかになっており、利水薬がその治療によく用いられます。
また当院の患者さんにも多い、慢性めまいの代表疾患であるPPPD(持続性知覚性姿勢誘発めまい)の治療薬としても、漢方薬は抗うつ薬と並んで推奨されています。
(引用:日本経済新聞・『体がふわふわ、つらいめまい 慢性の症状「PPPD」かも』)
※新規の抗不安薬、抗うつ薬等の向精神薬処方や認知行動療法の必要な患者様は、葛西地区の精神神経科クリニックをご紹介しています。
参考ガイドライン
鼓室内注入療法(ゲンタマイシン、ステロイド)、および中耳加圧療法については、日本めまい平衡医学会の診療ガイドライン・適正使用指針に準拠しておこないます。
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