11月のスギ花粉症
- 院長

- 6 日前
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最近、鼻や目のムズムズ、痒み、鼻水、クシャミ等の症状はありませんか? この時期は、
✅ 秋の花粉症(ブタクサ、ヨモギ、カナムグラ等の雑草の花粉症)
✅ 通年性鼻炎(気温が低下することによる、ダニ、ホコリ、ハウスダスト等に対するアレルギー症状の増悪)
に要注意。しかし! それ以上に注意すべきなのが、実はスギ花粉症なのです!!
図をご覧ください。

スギ花粉は10月から徐々に飛散開始。6月・8月・9月を除き、ほぼ通年飛散なのです!
また図の下部、「木本」(樹木)の花粉飛散の「多い」が>50.0個/cm2/日なのに対し、「草本」(草)の花粉飛散の「多い」はその約十分の一(>5.0個/cm2/日)であることをご確認ください。秋の花粉症の原因となる雑草の花粉は、多く飛んだとしても、スギ等の樹木の花粉の十分の一程度だということです。樹木の大きさや山林の規模を考えれば、容易に想像していただけるかと思います。
スギやヒノキなど樹木の花粉は、多く飛散すれば山から風に乗って都会まで届きます。いっぽう草の花粉はそこまで多くなく、その草の生えている場所に行かなければ暴露されないのが一般的です。血液検査でスギと雑草の両方陽性の方が、野原や河川敷等に行っていないにも関わらず、この時期に花粉症の症状が出たとしたら、それはスギ花粉が原因だと考えた方が良いでしょう。
スギ花粉症は、スギの木に近寄らなくても症状が出ますよね。あと、スギ花粉症の患者さんは身に花粉を纏っていることが多いので、その患者さんに近づくと花粉症の人は症状が出ることが多いです。ご自身の髪の毛や衣服に付着した花粉の減量、家の中に持ち込まない対策等も、どうぞご留意ください。
なお、このように「ある・なし」の二択ではなく、「どの程度あるのか」というグレーゾーンも含めた考え方を「定量的思考」と言います。皆さんもご自身の健康や病気を考える際は、定量的に考えることをお勧めします。敷衍して言えば、世の中全てグレーで不確実。だからまれに、間違いのないものに出会うと人は感動するのだろうと私は考えます。



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